巻き爪を放置すると
どうなる?
爪の角が食い込んで痛い——それが巻き爪です

「靴を履くと親指が痛む」「歩くたびに爪が皮膚に当たってズキズキする」——そんな症状はありませんか。巻き爪は、爪の端が内側に丸まり、周囲の皮膚に食い込んでしまう状態のことです。
軽いうちは放置されやすいのですが、痛みだけでなく、皮膚の赤み・腫れ・感染を引き起こすこともあります。そして厄介なのは、爪の切り方や靴選びといった毎日の習慣から、歩行バランスの乱れ、加齢や持病まで、原因が幅広いこと。順番に見ていきましょう。
深爪。角を丸く切ると、かえって食い込みやすい

意外に思われるかもしれませんが、深爪や、爪の角を丸く切る切り方は巻き爪の代表的な原因のひとつです。角を短く落とすと皮膚が爪の上に乗り、伸びてきた爪が皮膚に食い込みやすくなるとされています。
「痛いから短く切る」「角が引っかかるから丸くする」——よかれと思ってやっているケアが、次の食い込みを準備してしまうことがあるのです。爪はまっすぐ切り、角を残すのが基本とされています。
合わない靴。毎日の圧迫が爪を変形させる

幅の狭い靴や、先の尖ったパンプス、ハイヒールは、つま先を左右から圧迫します。すると爪に過度の力が加わり、少しずつ内側へ巻いていく力が働くとされています。
1日ぶんの圧迫はわずかでも、毎日履けば積み重なります。「細い靴・ハイヒールをよく履く方」は、巻き爪になりやすいと当院でも整理しています。靴を選ぶときは、つま先に余裕があり幅の合ったものを選ぶことがすすめられます。
歩行バランスの乱れ。特定の指に力が偏る

歩き方のクセも原因になります。外反母趾やハンマートゥ、扁平足などで足の形が崩れていると、特定の指に偏った力がかかるとされています。当院でも「足の変形がある方」は巻き爪になりやすい方として整理しています。
また、ランニングやキック動作などでつま先に繰り返し衝撃が加わることも、爪が変形する要因として挙げられています。爪だけを見ていても原因にたどり着けないのは、このためです。
加齢や疾患による、爪そのものの変化

年齢とともに爪は厚く脆くなり、変形や真菌の感染が起こりやすくなるとされています。また、糖尿病・乾癬・関節炎・甲状腺の病気、一部のお薬が爪の変形に関わることもあります。
知っておきたいのは、足の爪は1か月に約1〜2mmしか伸びず、完全に生え替わるまで12〜18か月かかるということ。だからこそケアは早く始めたほうが悪化を防ぎやすいとされています。
放置せず、原因ごと整える。日帰り手術という選択肢

巻き爪は放置すると化膿・感染・歩行障害につながることがあるとされています。当院では足病専門医と専門看護師が連携し、原因の評価・医療フットケア・肥厚した爪の処置・自宅ケアと再発予防の指導、そして必要に応じて日帰り手術までを行っています。
当院ではワイヤー法やプレート矯正は実施していません。ワイヤー法は装着中こそ矯正効果が見られるものの、外した後に再発するケースが少なくないためです。代わりに、米国足病医学に基づいたNaOH(水酸化ナトリウム)による日帰り手術を行っています。痛みが少なく10〜15分ほどで完了し、術後は歩いて帰宅できるのが特徴です。
セルフケアの基本は、爪をまっすぐ切って角を残す・つま先に余裕のある幅の合った靴を選ぶ・足を清潔に保つこと。赤み・腫れ・膿などが出ているときは、自己処置より先に受診がすすめられます。
※ここで挙げた原因や治療は一般的な説明で、実際の診断・治療方針は診察によって異なります。複数の原因が重なることもあります。効果や経過には個人差があります。
「爪が当たって痛い」と思ったら
巻き爪は、放置することで化膿・感染・歩行障害につながることがあります。当院では専門医と看護師が連携し、足の構造や歩き方も含めて多角的に評価します。爪の状態によっては、その日のうちに歩いて帰れる日帰り手術という選択肢もあります。爪が当たって痛い、見た目が気になる——そんなときは、我慢せずご相談ください。効果や経過には個人差があります。
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